チュートリアル

新製品TE0802を入荷しました

TE0802というZYNQ UltraScale+の評価ボードを入荷しました。

Te0802_1

面白そうだから思わず自分用に注文してしまったという感じです。

 

さて、いままで個人の趣味でUltraScale+を使ってみるとなると、Ultra96しか選択肢がありませんでした。

Ultra96の他には、手ごろな価格のUltraScaleボードが無かったからでしょう。 

でも、Ultra96一強の時代は終わりました!

新しい低価格UltraScale+評価ボードの登場です。

その名も、TE0802-02-2AEU2-Aです。(覚えにくい

https://www.trenz.jp/product/TE0802-02-2AEU2-A

※-02は基板のリビジョン、2AEU2は細かい仕様を表しますがTE0802にはこの1種類しかないので、
本文中ではこのTE0802で統一します。

TE0802のスペック

主なスペックは、

  • XCZU2CG-1SBVA484E
  • LPDDR4 1GB
  • ギガビットイーサ
  • USB3.0ホスト
  • M.2 SSD PCIe
  • Display port
  • VGA搭載
  • USB-JTAGとUSB-UARTをオンボードで搭載
  • 4桁の7セグLEDのほかLEDがいっぱい
  • ボタンやスイッチがたくさん
  • PMODが2個
  • 5V単一電源で動作
  • ファンレス
  • MIPI CSIはなし

という感じです。

Ultra96と比べて良いなと思うところを赤色に、負けているなと思うところを青色にしました。

Ultra96との違い

Ultra96は5Vでは動きませんが、このボードは5V単一電源で動きます。12Vの細口の特殊なACアダプタを用意しなくていいんです!

それに、Digilent互換のUSB-JTAGとUSB-UARTを搭載しているので、書き込みもデバッグもコンソールも、他に何もいりません。

おまけに、使うかどうかわかりませんが、PCIeも付いています。ここにはM2のSSDを乗せるようですね。

FANもないので静かです。

 

ただ、Ultra96がZU3EGなのに対して、このボードはZU2CGで規模が小さいのと、GPUが乗っていない点が負けているところです。GPUとMIPI-CSI(カメラ入力)はありませんが、画像を扱うのが目的でなければあまり関係ないのかもしれません。それを差し引いても、Ultra96と比べて周辺回路が充実しているので楽しめるでしょう。

Te0802_bot

Vivadoから直接接続できる!

このボードのUSB-JTAGは、Digilent互換のライセンスが乗っているので、VivadoからはDigilentJTAGケーブルとして認識され、直接扱うことができます。

ファンレスなのに、温度を見ると50℃前後です。

 

USB-UARTも搭載!

USB-JTAGのチップはUSB-UARTも兼ねているので、USBを1本挿せばJTAGとUARTの両方が同時に使えて、扱いがとても楽です。

(※USB Micro-Bケーブルをご用意ください。付属はしていません)

 

資料はこちら

テクニカルリファレンスマニュアルと回路図はこちらです

 

さっそく動かしてみた

それではさっそく動かしてみようとしたのですが、SDカードは付属していなかったので、Trenz社の製品ページに行き、Downloadsタブの中からTE0802-test_board-vivado_2018.3-build_07_20190830103019.zip をダウンロードしてきます。

Image2

この中のtest_board\prebuilt\boot_imagescg_i1gb\u-boot\BOOT.binをSDカードに入れれば、U-bootまでは立ち上がります。

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Xilinx Zynq MP First Stage Boot Loader (TE modified)
Release 2018.3   Aug 30 2019  -  08:40:28
Device Name: XCZU2CG

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TE0802 TE_XFsbl_BoardInit_Custom
Reset Complete

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NOTICE:  ATF running on XCZU2CG/silicon v4/RTL5.1 at 0xfffea000
NOTICE:  BL31: Secure code at 0x0
NOTICE:  BL31: Non secure code at 0x8000000
NOTICE:  BL31: v1.5(release):xilinx-v2018.2-919-g08560c36
NOTICE:  BL31: Built : 10:34:42, Aug 29 2019
PMUFW:  v1.1


U-Boot 2018.01 (Aug 29 2019 - 10:32:05 +0000) Xilinx ZynqMP ZCU102 rev1.0

I2C:   ready
DRAM:  1023 MiB
EL Level:       EL2
Chip ID:        zu2cg
MMC:   mmc@ff160000: 0 (SD)
Using default environment

In:    serial@ff000000
Out:   serial@ff000000
Err:   serial@ff000000
Board: Xilinx ZynqMP
Bootmode: SD_MODE
Net:   ZYNQ GEM: ff0e0000, phyaddr 1, interface rgmii-id

Warning: ethernet@ff0e0000 using MAC address from ROM
eth0: ethernet@ff0e0000
U-BOOT for petalinux

ethernet@ff0e0000 Waiting for PHY auto negotiation to complete..........

無事U-Bootは起動したのですが、uImageがなく、ここから先の起動はできませんでした。

Te0802_2

ディジタル時計みたいなアプリが動いています。↑

 

アーカイブにLinuxの完全なイメージは含まれていなかったので、PetaLinuxで作るか、どこからかTrenz用Linuxを探してくるかしなければならないようです。

誰か腕試しにLinuxを移植してみませんか?

 

特殊電子回路が輸入代行します!

さて、こんな楽しそうな機能がいっぱいのTE0802を輸入して販売いたします。

価格は39,800円。(※4月1日の価格:為替レートの変動で変わる可能性があります)

銀行振込もしくは代引きでご注文いただくと、送料無料です。

 

なお、ドイツの輸出規制にひっかかる商品のため、その都度輸出許可を得る必要があります。

輸出管理の関係上、弊社にストックしておけないので、納期はどうしても1週間くらいかかります。

ですが、頑張って輸出申請書類を書いて、取り寄せます。

 

外出自粛であまり外に出られないご時世ですので、自宅に籠ってUltraScale+のLinuxを極めるなんていうのも素敵な過ごし方ではないでしょうか。

 

PCIeやPMOD、たくさんのLED・スイッチなど、Ultra96では楽しめない要素が盛りだくさんです。

気になったらぜひ見てみてください!

製品紹介ページはこちらです↓

https://www.trenz.jp/product/TE0802-02-2AEU2-A

 

コロナウィルスの影響は?

ドイツから航空便で運ばれてくるわけですが、万が一にダンボールにウィルスが付着したとしても、段ボール上では1日生きられないといわれています。そのため、輸送中にウィルスが付着したとしても皆様のお手元に届くおころには活性を失っているはずです。

ただし、コロナウィルスの影響で国際貨物の輸送網に影響が出始めています。日本郵便は国際郵便の引き受けを停止したとのことです。UPSは現時点では多少の遅れはあるものの機能していますが、国際輸送が正常に機能している今週中にぜひともご注文ください。メーカーに在庫はたくさんあります。