チュートリアル

基板サイズとコネクタの仕様

はじめに

TE0803/7/8はUltraScale+のXCZU9EGやXCZU11EGなど大規模なFPGAを搭載したモジュールで、約1000本以上もあるBGAのパッケージを解きほぐして順番に並べてピンヘッダに出してくれるという、いわば変換基板です。

このモジュール上にUltraScale+設計の難しいところはすべて凝縮されているので、4層基板で簡単なベースボードを作るだけでZYNQ UltraScale+応用機器が作れるようになります。

ただし、TE0808モジュールには640本のピンがあり、これらをどのように接続すればよいのか、またコネクタの位置や向きはどうすればよいのかなどがわかりにくいので、このチュートリアルで解説します。

外観

まず、TE0808の外観、表面、裏面の写真を示します。TE0808は76mm×52mmのカードサイズで、極めて実装密度が高く、ZYNQ UltraScale+のほか、DDR4メモリ、SPI ROM×2個、クロックジェネレータICなどが搭載されています。

Te0808_overview_20210729132201

基板の表面にはFPGAが乗っていて、裏面にはコネクタが付いています。ユーザがベースボードを作る際には裏面に勘合するように作るわけなので、裏面を裏から見た図が必要になります。

寸法とコネクタの位置

BottomViewな基板の寸法と、コネクタの位置を示します。

Te0808layout_20210729140401

中央で上下左右対称になっています。コネクタの1番ピンの位置がわかりにくいので上の図で●を付けています。ネジ穴は基板の角から3.8mmの位置にあり、内側のネジ穴は8mm内側にあります。

メザニンコネクタの型番

メザニンのコネクタですが、SoMボード上に実装されているのはSAMTEC社のST5-80-1.50-LD-P-TRです。STシリーズの意味はTerminal Strip。分かりやすく言えばオスです。端が凹凹のほうが1番ピン、凸のほうが160番ピンのある方となっています。

これに勘合するコネクタ、つまりユーザが作る拡張ボード上のコネクタはSAMTEC社のSS5-80-3.50-L-D-K-TRです。SSシリーズの意味はStripです。わかりやすくいえばメスです。

端子の配置

端子の配置は以下のようになります。

Te0808pin

メザニンコネクタの機能

各メザニンコネクタの主な機能を解説すると、

  • J1にはGTHのB228,B229,B230、一般I/OのB66がある
  • J2には電源入力、JTAG、モード設定、電源設定、PSGTR、GTHのB128がある
  • J3にはMIO、一般I/OのB47、B48がある
  • J4には一般I/OのB64とB65がある

となっています。

なお、J3とJ4はだいたい左右対称にできているのですが、一部のVREFとGNDが対象になっていません。

I/Oの電圧

一般I/OのB64、B65、B66は最大で1.8Vまでです。3.3Vでは使えないのでご注意ください。

I/Oで3.3Vを使う場合はB47とB48を使用します。

また、MIOはすべて1.8V仕様になっています。SDカードを接続する場合にはレベル変換が必要です。